その美しさから相馬日光とも呼ばれ、国の重要文化財に指定されている涼ヶ岡八幡神社。
10月2日(金)大安、境内の絵馬殿に新たに絵画が奉納されました。
奉納された絵画は3点。絹の上に着色する技法や、貝殻を潰した粉や土からできた絵の具を使うなど、
伝統的な日本画の技法で描かれながらも、見る人に明るく華やかな印象を与えます。
それぞれ、歴史ある涼ヶ岡八幡神社にちなんだテーマで描かれています。
「流鏑馬」
「涼ヶ岡八幡神社参道流鏑馬図」130×80cm
中央にあるのは、神社で江戸時代・昭和まで行われていたという流鏑馬の様子。
背景に描かれている桜並木を見に、毎年多くの花見客が訪れます。
左下には絵に合わせた縁起物の印が押され、そのひとつひとつに意味が込められているとのこと。
(灯籠と桜並木。4月上旬が見ごろ)
「跳ね鯉」
「涼ヶ岡八幡神社神路橋に鯉」91×73cm
元禄八年(1695)、相馬中村藩五代藩主相馬昌胤が放生会を行うために建設された「放生池」と「神路橋」。
鯉は出世すると龍になる(登竜門)という故事になぞらえ、放生池で跳ねる鯉が描かれています。
(鯉の泳ぐ放生池と、参道へと続く神路橋)
「龍」
「涼ヶ岡八幡神社本社に龍」91×73cm
本社本殿の天井絵や、欄間の彫刻など、涼ヶ岡八幡神社に馴染みの深い「龍」。
神路橋で跳ねた鯉から繋がり、お社の屋根へ昇る美しい龍の姿を見ることができます。
(本社本殿の天井絵 左右の「龍」と中央「鳳凰」)
製作したのは、新進気鋭の女流日本画家 平良 志季先生。
6月末に東北・相馬を訪れ、東日本大震災の被災地や復興の様子を肌で感じ、「被災地に明るく元気になってほしい」という思いを込めて完成させたといいます。
奉納者(匿名)が「国の重要文化財であるこの神社をもっと魅力あるものに」との願いから絵画奉納を申し出、日本画の巨匠 中島千波先生の教え子である平良先生を縁あってご紹介いただいたそうです。
こちらの展示を見ることができるのは、境内北側にある「絵馬殿」。
元禄八年に建設され、出火による消失から明治四十四年に再建されました。
中には数多くの奉納品が展示されており、自由に見学することができます。
お立ち寄りの際はぜひお越しください!
住所:福島県相馬市坪田字涼ヶ岡51
TEL:0244-36-4342
HP:http://www.hachimanjinjya.or.jp/