【相馬を歩こう!シリーズ第3弾】
相双地方には、
奥相三十三所観音(相馬三十三所観音)巡り(参り)という、相馬市から双葉町までの間の33か所の観音堂を巡って参拝する風習があります。
これは
幾世橋御殿(浪江町)に隠居した相馬
昌胤(中村藩5代藩主)が江戸時代中頃の正徳年間(1711~1716)に西国三十三所観音札所にならい、領内の著名な33か所の観音菩薩を選んで霊場に定めたことから始まったとされています。また、ここで詠まれる
御詠歌(和歌や和賛にふしをつけたもの)は、正徳5年(1715)に昌胤が招へいした歌人
打它光軌が作ったとされています。
この観音巡拝は、村やお寺で組織した団体(講)や個人で巡る人もいて、さまざまな人たちが、家内安全・病気平癒などの願いを込めて祈りました。かつては、白装束で御詠歌をうたい、木製か紙製のお札をお堂の壁や掲示板に貼ってきました。こうして、観音巡りは相双地方の人々の心の拠り所として信仰され、親しまれてきました。
このうち9か所の観音堂が相馬市にあります。ひっそりとたたずむ観音堂を気軽に巡り、相双地方の信仰文化を体感してみませんか。