「国指定重要無形民俗文化財」相馬野馬追、伝承では、相馬氏の祖、平将門が下総国小金原に野馬を放ち、敵と見立ててこれを追い、武芸を練ったことに始まったといわれており、現在は、妙見三社といわれる相馬中村神社(相馬市)、太田神社(南相馬市)、小高神社(南相馬市小高区)の合同祭礼となっています。
総大将を擁する相馬中村神社の出陣の儀式は、とりわけ厳かに行われます。出陣祝いの盃をあげ、相馬流山を斉唱。御神輿を中心とする騎馬行列を整えて、出陣の準備が整うと総大将が出陣を命じ、軍者の振旗を合図に螺役(かいやく)が高らかに法螺貝を吹き、一行は鹿島区の北郷陣屋へと向かいます。ここで北郷勢(鹿島区)と宇多郷勢(相馬市)が合流し、総大将出迎えの義が執り行われ、儀式を終えた一行は一路雲雀ヶ原へ向かいます。騎馬武者が甲冑をまとい、太刀を佩き、先祖伝来の旗差物(はたさしもの)を風になびかせながらの威風堂々にして豪華絢爛な時代絵巻を繰り広げます。その様子は、まさに天下無双です。一千有余年の歴史を経て、今なお息づく伝統の行事です。
◆御発輦祭(相馬中村神社・本殿)・・・・・相馬中村神社において御発輦の道中安全を祈願する神事が厳かに行われます。
◆出陣式(相馬中村神社・境内)・・・・・・・総大将をお迎え後、相馬中村神社での出陣の儀は、とりわけ厳かに行われています。境内にて出陣の盃をあげ、野馬追の軍歌である「相馬流山」を斉唱、その後、勢ぞろいした宇多郷騎馬武者は、総大将の閲兵を受けます。
◆宇多郷お繰り出し(相馬市街)・・・・・・・・・・・御鳳輦と総大将をご擁して相馬市街地を行列します。
※毎年、5月の最終日曜日に『相馬野馬追本祭り』が執り行われます。詳しくは相馬野馬追 宇多郷行列順序をご覧ください。