「緑豊かな美しい景観を誇る福島県相双地域の片隅に小さな病院がある。その病院は地震、津波、そして原発事故という未曽有の危機を目前にしても、医の営みを守り抜き、住民の希望を絶やさなかった」 (本文より) 公立相馬総合病院初めての研修医が、被災地医療の最前線で体験した日々をつづりました。押し寄せる患者、古里に帰還できずに看取った飯舘村出身のお年寄り、寄り添おうとする医師、看護師たちの奮闘を描いています。相双地域のアキレス腱である精神科治療・心のケア、低線量放射線被ばくに関わる「100ミリシーベルト問題」にも鋭く切り込みました。気鋭の若手医師が病院内から提起する注目の一冊。
横浜市立大学医学部医学科卒業。2011年の東日本大震災後、相馬市の公立相馬総合病院に「はじめての研修医」として着任。 東北大学加齢医学研究所を経て、2016年から英国クイーンズ大学ベルファストがん細胞生物学研究センターで放射線医科学研究をおこなっている。